第19話 魔王様という仕事


魔王修行

【エトナ】
飽きた。めんどくせーもうやめやめ。

【ラハール】
おい。次はセラ何とかとか言う僧侶を倒すのではなかったのか?

【エトナ】
ナンノハナシデスカ?

【ラハール】
おい。

【エトナ】
細かい事は言いっこなしです。ちょっと気分転換にアイテム界に行ってくるんで、留守番がてら魔王城の掃除でもお願いしますね〜。

【ラハール】
お前なぁ、どこの世界に主君に対して、そんな雑用モドキを押し付ける部下がいるのだ?

【エトナ】
モドキじゃなくて雑用そのものですよ。

【ラハール】
なお悪いわ!

【エトナ】
そうは言いますけど殿下、さすがにレベル1でアイテム界は足手まといなんですが。

【ラハール】
む、むぅ、言いづらい事をサラっと言いおって…

【エトナ】
とにかく!ちょっと時間がかかると思うんで、私が帰ってくるまでに魔王城の掃除と、ゴミ捨てと、お風呂の用意と、食事の用意、ちゃんとやっといて下さいね。

【ラハール】
待たんか!さっきより増えてるではないか!

【エトナ】
これも立派な魔王になるための修行です。それに魔王様もやってた事ですから、後継者を名乗るならできないとは言わせませんよ。

【ラハール】
なに、オヤジが?ううむ…これが普通の悪魔なら思いっきり否定するところだが、オヤジの場合は一概に否定できんからなぁ…しかし何で俺様が…(ブツブツ)

【エトナ】
それじゃ頼みましたよ〜♪


アイテム界と魔王城

【エトナ】
さてと、そろそろアイテム界の敵のレベルも上がってきたし、耐性屋を増やしておかないとキツイわね…。今まで取っといた奴、全部潜るか。えっと…げっ!30個もあるじゃん。うわっめんどくさっ。しゃーねー、襲ってきた奴ら皆殺しにしてストレス解消すっか。

【ラハール】
(ゴシゴシ)なぜ俺様が掃除なのだ。こんなことはプリニー隊に任せれば良いではないか。なんだか魔王とは程遠い事をしている気がするが、やっとかんとエトナに「魔王に相応しくない」などと言われそうだしな…。お、そうだ。ならば俺様の弟子を作って、そいつにやらせれば良いではないか。部下を使うのもまた魔王の仕事だからな。うむ、我ながら良い考えではないか。見てろよエトナめ、俺様が魔王に相応しいと認めさせてやる!ハァーッハッハッハッハッハー!

【エトナ】
喰らいな〜、死ね!アハハ♪ん〜やっぱスカッっとするわね〜♪フンフフ〜ン♪皆殺ししってあげる〜♪1匹も逃が〜さな〜いわよ♪皆殺しし〜てやんよ〜♪だからもっと〜断末魔聴かせてね〜♪

【ラハール】
さあ暗黒議会よ!俺様に弟子を作るのだ!何?できないだと!なぜだ!マナが足りない〜?キサマ誰に向かって言っているかわかっているのか。俺様は魔界の後継者ラハール様だぞ!関係ないだと〜?いい度胸だ。こうなったら力ずくでも言う事を聞いてもらうぞ!

【エトナ】
ら〜ぶり〜♪あっははははは♪ちょめ!いや〜撲殺って本当にいいもんですね〜、なんつってー♪フンフフンフフフフンフフンフフフ♪皆殺ししってあげる〜♪

【ラハール】
ちょ、ちょっと待て!お前らそのレベルと人数は卑怯ではないか!キサマら主君に対する忠誠というものが…まっ!ぐぁぁぁああああああああ!!!!!

【エトナ】
終〜わりっと♪や〜、楽しかった〜♪やっぱ途中から撲殺スペシャルに持ち替えたのは正解だったわね〜♪あんまり楽しいんで耐性屋だけじゃなくてDef屋まで集めちゃったわ♪きゃっ♪殿下ー、ただいま帰りましたー♪雑用終わってますか〜♪

【ラハール?】
(・・・お墓がある)

【エトナ】
・・・何、コレ。

【アイテム界屋】
殿下です。先ほど何やら笑いながら暗黒議会の方に走っていかれましたが、その後、叫び声がして、プレネールさんがそれを運んできました。

【エトナ】
ったく、どうしようもないガキね〜。こんなんが魔王様の息子かと思うとホント腹立つわ。
(でも…なんだろう、この気持ち…。こんなガキどうでもいいはずなのに、なぜか放っておいちゃダメな気がする…。昔…そう、昔なにかとても大切な約束をしたような…ダメだわ。思い出せない。魔王様ならこんな時、どうするんだろう…)

【アイテム界屋】
エトナさん?どうかしましたか?

【エトナ】
え!?あ、あ〜なんでもない。殿下があんまりバカなんでちょっと呆れてただけよ。さて、しょうがないから病院に運んでやるか。

【魔界病院受付】
あら、優しいんですね♪

【エトナ】
まっさか〜。単にからかう相手がいないとつまんないだけよ。

【武器屋】
んふふ、そうですね。

【エトナ】
何よその笑い。ホ、ホントにこんな奴どうでもいいんだからね!勘違いしないでよね!

【アイテム界屋】
わかってますよ。うふふ♪

【エトナ】
やめろっつーの!

【魔界病院受付】
はいはい♪

【エトナ】
(アイツら…いつか殺してやる…)


次回予告

【エトナ】
魔界ジャンボ宝くじが当たった殿下に、なぜかドキドキが止まらないエトナ。

【ラハール】
おい。

【エトナ】
ああ…一気に何億ヘルも手に入れた殿下は急に眩しく見えるわ。もしかしてこれが恋?…なんてね。

【ラハール】
お前という女の性格がだんだんわかってきたぞ…

【エトナ】
ああ殿下、どうしてあなたは殿下なの?どうせならその財産を全部私に譲ると遺言状を書いた後に死んでくれたら最高です。

【ラハール】
無茶苦茶いいおって…

【エトナ】
次回!マジカル美少女エトナ第20話!
「魔界のプリンス」

あなたのハートにマジカルチェックイン♪

【ラハール】
どうでもいいが、そのタイトルならもう使ってあるぞ。

【エトナ】
あ。つーかそんな事は早く言えっつーの!(撲殺アタック)

【ラハール】
ぐはぁ!な、なぜ俺様が…(ガクッ)