聖なる夜に

終.『聖なる夜に』


―・・コニャン・・・ポコニャン・・!
光も無くなり、静けさが辺りを包む頃、ポコニャンは自分を呼ぶ声に目を覚ましました。
「・・ん・・一体ニャにが起きたのニャ…?ペコニャン…!?」
ポコニャンは驚きを隠せませんでした。そこにいたのはなんと、元のニャンシー姿のペコニャンです!頬を伝う涙をぬぐおうともせず、信じられないといった表情でこちらを見つめていました。
「…ポコニャン、これは夢ニャのかニャ…?ポコニャンが元のニャンコに戻ってるニャ…!」
「ペコニャンもニャ…それに・・身体が・・軽い・・?」
ポコニャンの病状が重かったのは'普通の猫'だったからです。ニャンコに戻った今なら、治癒力だけで治せる病気なのです。
「一体・・どうなってるニャ・・?」

その時です、空からふわり、ふわり、と白く冷たいものが舞い降りてきました。
「雪…?」
ふと、空を見上げると、遠くの空に二つの人影がス―…っと消えてゆくのが見えました。

二匹はその見覚えのある姿にハッとしました。
「あれは…ご主人さまニャ!!」
「じゃあ・・・これはご主人さまが…?」

―・・ずっと・・見守っていてくれたのニャ・・?・・―

二匹は嬉しさであふれる涙を止める事が出来ませんでした。

―・・今日は、奇跡が起きる聖なる夜・・―

「ポコニャン!結婚式を挙げようニャ!」
ペコニャンは空を見つめたまま言いました。
「え?ココでかニャ?!」
「今、ここでご主人様に誓うのニャ…!」
「ペコニャン…そうニャね、そうしようニャ!」
二匹は雪振る空を見上げ、小さな結婚式を挙げました。

―・・ご主人さま・・・ここでポコニャンとペコニャンは永遠の愛を誓いますニャ・・・
・・これからも見守っていてほしいニャ・・いつまでも大好きニャよ?・・ご主人さま・・――――

<〜Fin〜>

〜to be continue〜