ペコニャンが再び街へとたどり着いた時にはもうすっかり暗くなり、星も瞬き始めていました。
(ポコニャン・・本当にここにいるかニャ・・?)
ペコニャンは急に不安になってきました。
(よく考えたら、この街にはいないのかもしれないのニャ・・)
考えれば考えるほど不安は大きく膨らんでいきます。
(いや・・!そんな事考えてちゃダメニャ!とりあえず今は・・この街にいると信じるのニャ!)
街は無数の電飾に彩られ、さっき来たときよりもいっそう光輝いていました。
そして溢れんばかりの人々が楽しそうに笑いながら歩いています。
(す・・すごい人ニャ・・これじゃあポコニャンがいてもわからニャいニャ・・)
「ニャァ――――ァンッ!(ポコニャァ―ァアン!!)」
(だ・・ダメニャ…こんなに人がいっぱいいたんじゃ声も消えちゃうニャ!)
と、ペコニャンの目に様々な飾りのついた大きな木が映りました。
(あ!アレに登れば遠くまで見渡せるニャね!)
ペコニャンはその大きな木・・―クリスマスツリーを駆け登りました。
そして、てっぺんの大きな星飾りの上まで登ったとき、下のほうが騒がしくなっている事に気がつきました。
(?なんニャ?)
「こらぁ!そこのネコ!大事なツリーをめちゃくちゃにしやがってぇ!」
「ここまで飾るの大変だったのよ!」
(・・ニャ・・?)
よく見るとツリーに付いていた飾りがバラバラと地面に転がっていました。
ペコニャンが登った事で、落ちてしまったのです。
(ヤ・・ヤバいニャ〜!)
その瞬間!ペコニャンが乗っていた星飾りが大きく揺らぎました!
(ニャァア〜〜ッッ!!落ちるニャァアアァアアッッ!)
バリバリバリバリッ!!!
ペコニャンはとっさにツリーにしがみつき、落下だけは免れました。
(ふぅ〜〜〜・・危なかったニャ〜・・・ニャ!?)
一瞬にしてボロボロになったツリー。
周囲の人々の視線がペコニャンに向けられました。
(こういうときは・・・逃げるが勝ちニャ!)
「あッ待てッッ!!」
ペコニャンは脱兎のごとく逃げ出しました。
〜to be continue〜