聖なる夜に

4.『いなくなったポコニャン』


日が傾き、空も赤く色づき始めた頃。
ペコニャンは大きめの魚をひきずりながら川原へと戻ってきました。

「ふ〜…ポコニャン♪こ〜んな大きいお魚もらったニャ♪これを食べて元気出す・・・ニャ・・・?」
そう言い木箱を覗き込んだペコニャンは自分の目を疑いました。
「ポコ…ニャン・・・!?」

・・そこにはもう、ポコニャンはいないのですから。

「!?…ポコニャン!どこにいるニャ?隠れてるのかニャ?ペコニャンニャよ?お魚もって来たニャよ?」
何度呼びかけても返事はありません…。
「どこニャ?返事するニャ!!」
辺りを見回してもポコニャンの姿を見ることは出来ませんでした・・・。
「ポコニャァァァ―――――ン!!」

(なんでニャ?なんでポコニャンがいないのニャ?病気なのニャよ?あんな状態じゃ、動けないはずニャ!)
ペコニャンはただ…ただやみくもに鳴き続けました。
(こんなのイヤニャ!もう二度と離れないって…そう…そう決めたのはずニャ!!)
「―…ニャ―――ァァアァンッッ…―」

突然の別れ…あの時の感情をペコニャンは思い出していました…。

この二匹がまだ'普通の猫'になる前の・・・切なく・・悲しい想いを・・・―――。

〜to be continue〜