聖なる夜に

3.『ポコニャンと男の子』


ペコニャンが街に辿りついた、丁度その頃・・―

「あ〜っ!ここはぼくの'ひみつきち'なんだぞう!でていけよう!」

突然の子供の声にポコニャンは飛び起きました!
いつしか深い眠りについていたポコニャンはこの男の子が近づいてきた事に気付かなかったのです。
(び・・びっくりしたニャ・・しょうがニャい・・今どけるニャ・・)
ポコニャンは立ち上がろうとしましたが、病のせいか力が入りません。
(!?なんニャ?体が動かニャいニャ!)
ポコニャンの容態を知らない男の子は、なかなかどけないことにイラ立ち始めました。

「ほらぁ!はやくぅ!ぼくのばしょなの!」
そういうとポコニャンの尻尾をぐいっと引っ張りました!
「!!」
(痛いニャ!やめるニャ!・・!?・・なんでニャ!?声も出ないニャ!)
「・・フギャァ・・」
どうする事も出来ないポコニャン、やっと絞り出した声も弱々しくて今にも消えてしまいそうです。

「・・?おまえ・・なんかへんだ・・もしかして・・どっかわるいの?だいじょうぶ?」
ポコニャンの異常な様子に気付いた男の子は、ポコニャンを優しく撫でました。
「うわぁ!あつい!ねつがあるよ!?たいへん!・・どうしよう・・」
ポコニャンはおろおろとする男の子を見ながら、意識が薄れていくのを感じました。
(ペコニャン・・はやく帰ってきてくれニャ・・)
「・・!そうだ!ぼくのいえにおいでよ!ぼくのおとうさんは'おいしゃさん'なんだ!きっとなおしてくれるよ!」
(・・!それはダメニャ!・・ペコニャンが・・まだペコニャンが帰ってきてないニャ!)
必死で抵抗しようとしますが、動けないポコニャンには成す術がありませんでした。
「じゃあ、いこうね!」
男の子はポコニャンをそっと抱きかかえました。
(ペコニャン・・・ペコニャン・・!)
ポコニャンは心の中で、呼びつづけました・・――。

〜to be continue〜