聖なる夜に

2.『おさかなとおばあさん』


ペコニャンは街の中心にある商店街に来ました。

街にはきれいな装飾が施され、様々な人達でにぎわっていました。

(何かイベントでもあるのかニャ?・・まぁいいニャ、それより早くポコニャンのところに帰らなくちゃいけないニャね・・よ〜し・・奥の手で行くニャ・・!)

ペコニャンが売り物のおさかなに手を伸ばそうとしたその時!突然大きな声が響きました!
「だれかぁ!そいつを捕まえておくれぇ!ドロボーだよぅ!」

びくぅぅぅううッッッ!!

ペコニャンは飛び上がりました。
「ニャッ…ニャオゥン!(ま・・待ってくれニャ!これにはワケが・・・!!)」
とっさに振り返ると、おばあさんが叫びながら走っていくのが見えます、そしてその先に全力疾走で逃げる男の姿がありました。その手には小さな鞄が握られています!
(あ・そうか!この人捕まえるのニャね!)

ペコニャンは走り、男の顔めがけて飛びかかりました!
「うわ〜!!なんだこの猫!くそっ!離れやがれ!」
男は振り払おうとしましたがペコニャンは離れません。
(ニャはは〜♪これでもくらうニャ!)
「ニャ――ッ!!(必殺顔面ネコひっかき〜!)」
ばりばりばりっっ!!
「ぎゃぁぁああ!」
男は手にしていた鞄を落として逃げていきました。
「く…くそぅ!おぼえてやがれ!!」
「ニャ〜ォゥン〜♪(ニャッハッハ〜正義は勝つのニャ♪)」

ペコニャンはその鞄をくわえ、おばあさんに渡しました。
「ンナ〜ォ?(はい、気をつけるニャよ?)」
おばあさんは鞄を受け取ると嬉しそうに微笑み、ペコニャンに言いました。
「ありがとうよ猫ちゃん・・もう少しで孫のクリスマスプレゼントが買えなくなるところだったよ」
「ゥニャン?」
(くりすます?ってなんニャ?前にご主人さまに聞いたことがあるような気もするニャ〜・・なんだったかニャ?)

ペコニャンが不思議そうに街の飾りを見ていると
「今夜はね街中の人が集まってここでクリスマス祭をやるんだよ大人も、子供も、み〜んな集まるのさ」
と、教えてくれました。
「・・と・・猫ちゃんにこんなこと言ってもしょうがないねぇ・・そうだ、お礼をしなきゃいけないね!・・何がイイだろう?」
「ニャ?ニャ〜ンvv(お礼?おさかな〜♪)」
ペコニャンは前足でちょいちょいっと魚屋さんを指しました。
「おぉ・・そうかい・・お魚だね?ずいぶん利口な猫だねぇ・・まるで人間みたいだよ」
(ポコニャンやったニャ〜♪おさかなGETニャ☆今すぐ行くから待っててニャ〜♪)

〜to be continue〜