二匹の猫がいました。
旅をしながら暮らしている一組のカップル猫。
ごく普通の、かわいい猫です。
オス猫の名前はポコニャン。
メス猫の名前はペコニャン。
二匹はのんびりと、幸せな日々を送っていました。
ところがある冬の日、新しい街へと辿り着いた時の事、
ポコニャンが長旅の疲れからか、病にかかってしまったのです。
ケホッ…ケホッ…
「ポコニャン…大丈夫かニャ?」
「…ケフッ…大丈夫ニャ、このくらい…なんとも無いニャ」
ポコニャンは、弱々しく微笑むと、また咳こみ苦しそうです。
「ポコニャン…」
ペコニャンは、何もしてあげられない自分に不甲斐なさを感じていました。
「じゃあ…今日はあそこで休もうニャ?」
街外れの川沿いを歩いていた二匹は、橋の下で大きな木箱が横倒しになっているのを見つけ、そこで休む事にしました。
箱の中には、ガラクタが多数転がっていましたが、寒さをしのぐには丁度良いものでした。
「さぁ、ポコニャン、今はゆっくり休むニャよ?」
「ゴメンニャ…、ペコニャン…」
ポコニャンは箱の中に入ると、そのままぐったりと横たわりました、よほど無理をしていたのでしょう。
「な〜に言ってるニャ!気にする事無いニャよ?あ…今日はワタシだけでゴハン探してくるからニャ、無理しニャいで寝ててニャ?」
「…ひとりで大丈夫かニャ?」
二匹の間にすこし不安がよぎります、旅を始めてからというもの、ほんの片時でも離れた事が無かったから。
「大丈夫ニャ♪元気が出るような物みつけて来るニャよ☆楽しみに待っててニャ♪」
ペコニャンは、今自分ができる事をやろうと、不安を押し込めるように明るく微笑み、心配そうなポコニャンをひとり残して街のほうに向かって走って行きました。
(ポコニャン・・ワタシ、頑張るニャ!)
〜to be continue〜