もう一つの結末

第4章「再会」

すでにそこは戦場と化していた。
無数の魔物が地に伏し、幾人かの魔王達がその魔力をある一点に向かって放っている。
その中心に彼らはいた。

闇の王子クロワ
そして魔神ノワール

「くっくっくっ…その程度の攻撃では我らを倒す事などできん…」

ノワールは言うが早いが魔王達の魔力を跳ね返した。

「な!?」
「くっくっくっ…他愛も無い…」
「……………」

その傍らで無言で佇む闇の王子…
しかし彼は近づいてくる強大な魔力を感じていた…
一点を見つめる彼にノワールはいぶかしげに問い掛ける。

「…どうかしたのか…」

彼が見つめるその先には少女の姿があった

「久し振りね…」
「………………」

彼は無言のまま少女を見つめる。

「…まさかお前は聖女会の…くっくっくっ…なるほど…
所詮、人間は弱い生き物と言う事か…くっくっくっ…
再開を喜ぶべきかな…?それとも悲しむべきかな…?
まさかお前が魔界を統べ……」

刹那、閃光が走ったかと思うと、そこにノワールの姿は無かった。
誰もが何が起こったのか分からない。
ただ一人、闇の王子を除いては…

「…お前が…やったのか…?」
「そうよ…私たちの再会の邪魔だったからね…クロワ…」
「…なんの…事だ…?」

自分を見据える彼の、その全てを憎む鋭い眼光を少女は真正面から受け止めていた。
(やはり…すでに忘れているのか…)
もっと悲しいものだと思っていた。
だが人の心を無くした自分に悲しみなどある筈もない。
そう思うと自然と笑みがこぼれた。

「コイツは私がやる、お前達は手を出すな」

その言葉に反応するように闇の王子が襲いかかる。
少女はそれを受け流し、その身体に激しく拳を叩きつけた…

〜to be continue〜