二次創作物と著作権-2

二次創作物の著作権

さて、お話は少し変わりまして、二次創作物の著作権についてです。二次創作物は元々の著作物を「複製、改変、または翻訳した物」だと言えます。この複製、改変、翻訳した物の著作権、つまり二次創作物の著作権は実は2つに分かれます。原作者が持つ権利と、二次創作者が持つ権利です。これは全く同一の権利になります。

ここで言う権利とは、公開、氏名表示、改変に関する権利と、複製、翻訳、翻案、上演、譲渡、貸与等に関する権利全てを含みます。

例えば、仮に公開中の二次創作作品について原作者から「公開しないで」と言われれば、従わない場合は著作権侵害となってしまいます。逆に原作者があなたの二次創作作品を公開した場合あなたはそれを止めるように求める事ができ、原作者が従わない場合は訴える事ができます。

また著作権は全ての作品に対して主張できるわけではありません。思想や感情を学術・美術・音楽・文芸の分野で創作的に表現した物に限られます。つまりイラストや小説や漫画やエッセイや音楽などで、自分の思った事や感じた事を自分なりに表現した物だけが著作物として認められます。ただし創作的については他と比べて認識できる程度に個性が反映されていれば良い、となっています。

二次創作の分野で言うと、原作と見比べて見分けが付かない模写は著作権を主張できないかもしれません。ただし、原作をなぞっただけの小説や、キャラクターの絵をただ描いただけ、といった物でも著作権を主張する事はできます。その場合でも、原作者も一緒に著作権を持っている事を忘れないで下さい。あなたの作品はあなただけの物ではなく、あなたと原作者の二人の物なのです。


無断製作の二次創作物

ところで無断で作った二次創作作品は著作権を主張できるのでしょうか?

これは「多分大丈夫」としか言えません。しかし無断であろうと原作者の権利は依然として存在しますので、やはり著作権は二人で持つ事になります。あなた一人の物ではない、という事だけは肝に銘じておきましょう。


二次創作物の著作権表示

二次創作物の著作権を主張する場合、できれば自分の著作権だけでなく、原作者の著作権も主張するようにした方が良いでしょう。ただし原作者から著作権表示不要と言われている場合は別です。どちらにせよ、これは氏名表示に関する権利として両者が平等に持っている権利です。自分の都合で扱わないほうが良いでしょう。

ちなみに人形館では、日本一さんから「二次創作物については権利表記不要です」と言われているので、サイト案内の方に掲載許可を受けている事だけを書いて、他の場所では人形館(及びぺこ)の著作権だけを主張しています。


二次創作の作者だけが持つ権利

さて、先ほど原作者と二次創作者の両者が持つ権利について話しましたが、二次創作者だけが持つ権利というのはあるのでしょうか?実はありません。二次創作物は法的には「二次的著作物」とされ、その著作権は二次創作をした人が持ち、原作者も同等の権利を持つ事ができるとされています。

つまり、二次創作作品はあくまでも二人の物、という事です。


二次創作作品に対する二次創作

ちょっと複雑になりますが、二次創作作品をさらに二次創作する場合はどうなるのでしょう?この場合は三次創作と言えるかもしれませんが、法律的には「二次的著作物」のままです。ここでは便宜上、三次創作と呼びます。

さて、三次創作にも当然許可が必要です。この場合、二次創作者の許可だけでなく、原作者の許可も必要になります。なぜなら二次創作物に対して原作者も二次創作者と同じ権利を持っているからです。


まとめ

二次創作に関する著作権は大体こんな感じになります。専門用語をあまり使っていないので、法的に見ると表現が適切ではない部分もあるかも知れませんが、難しく書くとわけわかんなくなるから仕方ないですよね?(笑)

わかりづらい場合は、二次創作作品は二次創作者と原作者が「共同制作した物」と考えれば分かり易いかと思います。三次創作なら三人の共同制作です。そう考えれば、何をするにも原作者の許可が必要なのも、三次創作で両者の許可が必要なのも、自然と理解できると思います。

今まで著作権について深く考えていなかった方、今年からは「少しだけ」著作権について考えてみてください。今回のエッセイがその助けになれば幸いです♪


参考

社会法人著作権情報センター

Wikipedia 著作権

www.swkidou.com 著作権法講義録

著作権法 全文


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