数の数え方とコンピュータが扱う数

皆さんこんにちは。くるるです。今回はちょっとしたマメ知識で、数についてのお話です。


大きい数の数え方

通常、大きい数といっても1億とか1兆ぐらいが限界です。しかし日本では最大で84桁までの数字が定義されているのをご存知でしょうか。

桁の名前は次のようになります。ただし、元々中国で使われていた単位のため、日本では使われていない漢字も含まれています。そういった漢字は注意書きをしてあります。

〜 4桁目 一、十、百、千
〜 8桁目 万(まん)
〜12桁目 億(おく)
〜16桁目 兆(ちょう)
〜20桁目 京(けい)
〜24桁目 垓(がい)
〜28桁目 禾予(じょ)※のぎへんに予
〜32桁目 壌(じょう)※つくりの上部は六ではなく口2つ
〜36桁目 溝(こう)
〜40桁目 澗(かん)
〜44桁目 正(せい)
〜48桁目 載(さい)
〜52桁目 極(ごく)
〜56桁目 恒河沙(こうがしゃ)
〜60桁目 〜万恒河沙(まんこうがしゃ)
〜64桁目 阿僧祗(あそうぎ)
〜68桁目 〜万阿僧祗(まんあそうぎ)
〜72桁目 那由他(なゆた)
〜76桁目 〜万那由他(まんなゆた)
〜80桁目 不可思議(ふかしぎ)
〜84桁目 〜万不可思議(まんふかしぎ)
85桁目以降 無量大数(むりょうたいすう)

たとえば1834869874512387944583248813684683687387614394143643698318739864998946731638736という79桁の数字があった場合、読み方は183不可思議4869万8745那由他1238万7944阿僧祗5832万4881恒河沙3684極6836載8738正7614澗3941溝4364壌3698禾予3187垓3986京4998兆9467億3163万8736、となります。

ちなみに無量大数は「数え切れない数字」を表すため、それ以上の数値は全部「無量大数」とだけ書きます。

コラム:この数の数え方は江戸時代に吉田光吉という人が書いた「塵劫記」(じんこうき)に記されています。元々は中国の数学書から写した物ですが、中国では1万以降の桁を1桁ごとに繰り上げてあったものを修正し、現在の数え方になりました。中国の数え方にならえば21桁目が無量大数となります。

余談ですが千載一隅という言葉があります。これは文字通り千載に一度遇うかどうか、という意味なのですが、ここでいう千載は中国での単位なので、日本でいうと100京分の一の確率の事です。

もう一つ、未来永劫の「劫」ですが、これは仏教で使われる時間の単位で、1辺が約14.5kmの巨大な岩に、100年に一度天女が舞い降りて羽衣で岩を一撫でし、その繰り返しで岩がすり減って完全に消滅するまでの時間が1劫です。


小さい数の数え方

逆に小数点以下の小さい数は1桁ごとに呼び名が変わります。ただし、よく使われる1割という言い回しは実は割合を表す時にだけ使われる単位で通常は使いません。つまり「分」が10分の1になります。この辺は誤解が多いので注意しましょう。

十分の一 分(ぶ)
百分の一 厘(りん)
千分の一 毛(もう)
万分の一 糸(し)
十万〜  忽(こつ)
百万〜  微(び)
千万〜  繊(せん)
億分の一 沙(しゃ)
十億〜  塵(じん)
百億〜  挨(あい)
千億〜  渺(びょう)
兆分の一 漠(ばく)
十兆〜  模糊(もこ)
百兆〜  逡巡(しゅんじゅん)
千兆〜  須臾(しゅゆ)
京分の一 瞬息(しゅんそく)
十京〜  弾指(だんし)
百京〜  刹那(せつな)
千京〜  六徳(りっとく)
垓分の一 虚空(こくう)
十垓〜  清浄(せいじょう)

コンピュータの数の数え方

さてコンピュータは演算装置の性能によって一度に扱える数値が変わります。よく32ビットとか64ビットと言われるのは、一度に扱える数値の違いを表します。

ビットは2進数の単位で、8ビットで256になります。16ビットだと65536です。ただし数字によって符号あり、符号なし、小数点あり、整数などの組み合わせがあり、その組み合わせによって数値を表せる範囲が変化します。通常は符号あり整数が多く使われます。

符号あり整数で言うと、8ビットは-128〜127、16ビットは-32768〜32767になります。この数字を見てピンと来た人は当たりです。よくゲームなどで数字を上げ過ぎると逆にマイナスになってしまうバグの原因はこの数値のルールによるものです。

例えば127は16進数表記にすると0x7Fとなります。これに+1すると0x80になるのですが、符号あり整数の場合、0x80は-128を表すのです。そのため127が-128まで一気に下がってしまうわけです。

なお32ビットは-21億〜21億、64ビットは-922京〜922京になります。


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