リアルな映像で下がるゲームの質

皆さんこんにちは。くるるです。今回は次世代ゲーム機の多くが追い求めているリアルな映像について、それがゲームに与える悪影響について話していこうと思います。


リアルな映像

PS3やXBOX360など高性能な次世代ゲーム機はみな、リアルな映像を追い求めることを主眼に置いています。それ自体は別に良いし、結果として表現の幅が広がることは良い事だと思いますが、しかしゲームの世界において、リアルな映像は必ずしもゲームの質を上げる事には繋がりません。むしろ逆に質を悪くする要員になっている場合も多く見うけられます。


リアルな映像とは?

リアルな映像と言えば写実的、現実的など、そういう見た目の映像を指します。逆にリアルではない映像と言うと、コミック的というかいわゆるディフォルメされた映像を指します。この二つの違いは、ディフォルメの有無、つまりは(ゲームに)不要な情報の有無とも言えます。

例えば箱を表現する場合、ディフォルメ系なら箱の形や色、模様など再現され、多くの場合、どこにあるかが一目でわかります。これがリアルな映像になると、質感、写り込み、傷の有無や汚れ、光の反射、陰影なども重要視され、おかれた場所によっては背景や障害物に隠れたり、光が届かずに見えなかったりします。

ここでリアルな映像で表現される物のうち、多くはゲームとして不要な情報であり、逆にゲームとして必要な情報が減少している事が問題なのです。


ゲームにおける映像の役割

ところでゲームの世界で映像と言うのはどういう役割を持っているでしょう?ゲームの世界は紛れも無く2次元の世界です。そこから得る事のできる情報は、視覚や聴覚によるものがほとんどで、とりわけ視覚が多くの比重を占めます。聴覚によって得られる情報はBGMや効果音などの雰囲気に関わる部分がほとんどで、音がないとゲームが成り立たない、と言うゲームはほんの一部です。ましてや嗅覚や触覚による情報は皆無ですので、それら全てに変わる情報を視覚から得なければならないわけです。

映像はその視覚に直接うったえる部分です。つまり映像には本来見えない情報(パラメータなど)=ゲームに必要な情報が含まれている必要があるわけです。そうすると本来視覚から得る事のできる情報を全て含めてしまうと、更にゲーム用情報を入れる余地が少なくなり、結果としてゲームの快適さが損なわれる事が多くなります。

これまでのディフォルメ系の映像であれば、本来の視覚情報を必要最低限にとどめ、なおかつ他の情報も十分に含める事が可能でした。しかしリアル映像では本来不要な視覚情報を増やし、必要な見えない情報を排除する傾向にあります。本来見えないはずの情報が「見える」というのはゲームを快適に進めるためには必要な事なのに、です。


リアルな映像の悪影響

例を挙げれば、背景とオブジェクトの区別が付きにくい、リアルに考えれば歩ける場所がゲーム的に歩けない事が多いため、リアルなマップでは移動可能かどうかがわかりづらい、敵との距離がつかみづらい、攻撃目標がわかりづらい、マップによって視点が変化するため全体像を把握しにくい、ダンジョンで迷いやすい、明度が低いと何があるのかわからない、イベントシーンと通常時の見た目の差が激しくキャラクターがつかみづらい、敵と背景の区別が付きにくい、武器の見た目と能力(特に射程)が一致しない、など他にも色々あります。


リアルを求める必要性

例えばグランツーリスモやメタルギアはリアルさを追求しても良いと思います。それは映像のリアルさだけでなく、まず先にゲーム世界のリアルさを求めているからです。しかしRPGなどを代表とした多くのゲームは、まず映像であるため全く中身が伴っておらず、リアルな映像を求める必要性があるとはとても言えません。

私たちゲーマーが求めるのは「ゲーム」です。見た目はあくまでも補助であり、まず内容がなければ意味がありません。絵がリアル=面白い漫画家ではないように、リアルな映像=面白いゲームではないのです。

リアルな映像を否定はしませんが、使うならこれまで以上に「遊びやすさ」「わかりやすさ」に注意したゲームを作って欲しいものです。


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