幻想世界Vol.6 原典との相違について

皆さんこんにちは。くるるです。今回はちょっと視点を変えて、ファンタジー世界の原典について話そうかと思います。


由来と原典

ファンタジーを題材にしたゲームの多くは、他のファンタジー作品や、場合によっては他のゲームの設定をモチーフに独自にアレンジを加えた設定を使用しています。その由来となっているものの多くはトールキンの指輪物語に代表される「剣と魔法の世界」です。

しかし、その剣と魔法の世界のさらに元になっている世界各地の神話や伝承についてはあまり知られていません。中には原典とは全く異なった設定に生まれ変わってしまった物もあります。


エルフ

エルフは人間に最も近い亜人種として知られています。長身細身で容姿端麗、プライドが高く、人間を下等な生き物と見下しており、その寿命は数千年とも言われ、長い年月の中で培われてきた豊富な知識は人間の比ではありません。森に住み自然と一体となった暮らしを営んでいて、森を守る守護者としての役目も持っています。

これらのエルフは特に魔法と弓に精通し、森の秩序を乱すものには容赦しない冷酷な一面も持っていますが、これは自分たち自身が自然の一部であるという事を正しく認識しているためであり、私欲のために自然の調和を乱す者たちを自然に帰す事が、自らの使命と考えているためです。

基本的には人間を嫌う傾向にありますが、中には人間に好意を持っている者もいて、しばし人間との間に子供が生まれる事があります。しかし多くの場合、この子供が迫害を避けるすべはありません。

さて、上記のようなエルフは指輪物語によって定着したイメージです。北欧では小人の姿で現れるいたずら好きな妖精としてのエルフがいます。このようないたずら好きな妖精という姿で登場するものは多く、パックやゴブリン、トロールなども妖精を指す言葉でした。

しかしこのエルフも元をただせば古代ノルウェー語で「妖精」を意味する言葉でした。しかしこの妖精は、いわゆるフェアリーとは全く違います。天界にある「エルフの国」に住み、神と同格に崇められていました。この時代においてエルフは神に等しい言葉だったのです。丁度現在の天使に近いかもしれませんね。


ゾンビ

ゾンビは腐りかけた体を引きずるように人間に襲い掛かってくる、黒魔術によって操られている哀れな死体です。コストの安い番兵として使われ、多くの場合生前の能力を失っています。しかし痛みを感じない体は自らの肉体を破壊する事さえ躊躇しないため、人間の数倍の力を発揮し、また何十体という群れで襲ってくるため非常に危険な存在です。なによりその匂いは常人に耐えられる物ではありません。

このゾンビも元をただせばブードゥー教の蛇の霊(ロア)の名前であるズンビーから来ています。ちなみにロアとは神を具現化したもので神の化身として崇められています。このズンビーの力を借りてゾンビを作り出すのですが、ブードゥー教で言うゾンビとは極刑を受けた死刑囚の死体をズンビーの力により労働力として蘇らせる事を言います。そのため人を襲う事はありませんが、単純な命令しか聞けないところは同じで、これを簡易的に魔法的な方法で兵士として使いだしたのが幻想世界のゾンビと言えるでしょう。


原典を知る

上記の例のように原典から姿が大きく変わったものは他にもたくさんありますが、それらに共通するのはより強烈なイメージで上書きされたという事です。そういう意味で言えばスライムのイメージが青いぷるぷるちゃんに変わってしまったのも、あながち変とも言えない訳ですが(笑)

しかし原典を知る事でもうひとつ膨らんだイメージを持つ事ができるので、興味がある方は調べてみると良いかもしれません。最近ではネットでも色々検索できますし、専門の書籍もたくさん出ているので資料には困らないでしょう。

次はどうしようかなぁ・・・ドラゴンとか悪魔とか行きたいけど、どっちも長くなるんだよね〜(笑)。なんか取り上げて欲しいモンスターいたらリクエストお願いします♪


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