皆さんこんにちは。くるるです。今回は幻想世界のモンスターについてです。
皆さん、ＲＰＧなどでモンスターと戦っていて不思議に思ったことはありませんか？モンスターが毎回決まったお金を落としていくとか、出てくるモンスター全てが成体＆同体格だとか、色が違うだけの同じ姿の奴が多いとか、そういうゲームに対するツッコミどころではなく、もっと根本的な問題です。
つまり、奴らはどこに住んでいて、どういう生活をして、何を食べて生きているのか？どうやって生まれたのか？どうやって繁殖しているのか？そういう生態系の話です。
当たり前の話ですが、一部の魔法生物（魔法を動力として動いているロボットのようなタイプ）でも無い限り、魔物といえども生き物として生活しています。あるものは森になわばりを持ち、あるものは村落に出没し、あるものは人知未踏の秘境に人知れず暮らしています。
しかしながら、特にコンピュータＲＰＧにおいて、そこを重視しているゲームはほとんどありません。ほとんどのゲームでは魔物は主人公の「成長のための生け贄」であり「金銭強盗の被害者」であり「空腹を満たすエサ」です。それ以上でもそれ以下でもありません。
ですが本来、魔物は独自の生態系を持ち、現代世界に生きる動物と同じように自然の中で生きるために戦っているのです。
ここでは超有名ＲＰＧの代表としてドラクエシリーズを対象に話を進めます。ドラクエはリアルファンタジー志向のゲームではないので、その内容を否定するつもりはありませんが、知名度が高い事と、他のＲＰＧの原点的作品である事から、今回の例題として適任であると考えるからです。
まず強さ。主人公の出発点付近では戦いの素人ですら何とかなるようなザコ敵しか存在しませんが、物語の進行に合わせ「なぜか」徐々に強い敵が現れ、最後の町付近では町の住人が生きているのが…というか町という存在が成立しているのが不思議なくらい、強力な魔物が出現します。たぶん、最後の町の衛兵一人いれば、世界の過半数の魔物被害を防げると思います。これがいかに不自然であるかは言うまでもないでしょう。
それと魔物の出現パターンです。魔物は複数の種類が仲良く襲ってきたり、また平地や森、洞窟など環境の違う場所でも全く関係なく、同じ魔物が襲ってきます。まあドラクエの場合、魔物は全て魔王軍（もしくはそれに準ずる組織）の配下であり、上官の命令で主人公（というか人間全般？）を襲っているわけですから不思議ではないのですが、そうではなくモンスターが「生息」している設定のゲームだと、これは非常にあり得ない事です。
コンピュータ世界の魔物に対し、純粋なファンタジー世界では、魔物は「危険な能力を持った強力な生物」という解釈で、自然界に普通に暮らしています。例えば主人公の村の隣にある険しい山にドラゴンが住み着いている、なんて事も普通です。当然ですが、戦ったら即死です。
また、魔物の強さは主人公の強さとは全く無関係に決まっており、弱い人間は自分の実力で排除できない魔物を避けるように、またそういった魔物からの襲撃におびえながら生活しなければなりません。というか普通は人が対処できないから魔物と呼ばれるんですけどね。ティラノサウルスが現代に蘇ったら、まさしくモンスターでしょう？
このように、魔物はあくまでも自分たちの生活をしており、人間も含めた自然界の一部でしかありません。魔法による擬似生命などもいますが、しかし魔法が存在する世界では魔法も自然の一部である事を考えれば、ゴーレムもホムンクルスもスケルトンやゾンビでさえも、ファンタジー世界では「自然の一部」と言えます。
例えばスライムを例にしてみましょう。ドラクエではおなじみのザコモンスターですが、ファンタジー世界では半端じゃなく強力な魔物です。
この知能を持たない原始的な魔物は、魔法実験の副産物として誕生した生物です。非常に原始的な生物ですが体長？は数メートルにもなり、その体内に取り込んだ生物を消化する能力しか持ちません。中には強力な酸性を持つ個体も存在し、金属なども全て溶かしてしまいます。魔法で生まれた生物の特徴として繁殖能力を持つ事は稀ですが、分裂増殖する凶悪な固体も存在します。素早く動く事ができないため動き回る事は少なく、通路などの狭い場所で獲物が通るのを待ち続けます。
さて、この魔物が出現する場所として、平地、洞窟、遺跡、森、砂漠の中で不適切なのはどれでしょう？そう、平地や砂漠に出現するわけが無いですね。森は可能性はあります。森に適応した種が、木の上から獲物を狙っているかもしれません。
このように、魔物はその生態によって出現場所が決まっており、それ以外の場所で出会うことは通常ありえません。ガラパゴスゾウガメはガラパゴス諸島にしかいないという事です。
（次回に続く）
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