幻想世界Vol.1 誤解だらけの世界 武器編3

伝説の武器

ゲームで一番人気があるのは伝説の武器系だと思います。強力な魔法がかかっていたり、威力が高かったり。ですが、これらもほとんどが神話から流用されているにもかかわらず、名前だけ使って能力は勝手に作っている事が多いです。

特に有名なのはエクスカリバーとトールハンマーでしょうか。

エクスカリバーは大抵の場合、最高ランクの聖剣として登場します。ところがアーサー王の伝説に出てくるエクスカリバーは剣自体は特別なものではありません。実は魔法がかかっているのは鞘の方なのです。この鞘を持つものは決して傷を追う事はありません。ある意味、無敵とも思える能力です。その力が数々の戦いでアーサー王を守っていたわけです。

またトールハンマーは実は打ち出の小槌のように短い柄のハンマーで、投げつけて使われる武器です。つまり飛び道具。この武器にかかっている魔力は、どこに投げても自然に使用者の手に戻ってくるというものです。

使用者であるトール神が雷神であるため、雷の魔力を持っている設定が多いですが、そもそも考えてみてくださいよ。雷神であるトール神が、なんでわざわざ雷の魔力を封じた武器を使う必要があるのか。必要性がないじゃないですか。


ゲームの主人公は武芸百般?

宝箱を見つけて今装備している武器よりも強い武器を発見、早速装備しなおして戦闘。威力の高さに満足して先に進む。RPGで良くある光景です。しかし、それまで剣しか使ってなかった勇者が、イキナリ宝箱に入っていた鎖鎌(くさりがま)を自在に操り攻撃できる、こんな理不尽な光景に不信感を持つ人は、どのぐらいいるんでしょうか。

この理不尽さを知っている人であれば、この瞬間にしらけてしまいます。中には特定の種類の武器しか装備できないゲームもありますが、ファルシオン、ショテル、フラムベルジュ、ソードブレイカー、日本刀などを「剣」に分類し、ブロードソードやバスタードソードと同列視しているゲームなら同じ事です。

これらは形状が違うだけでなく、戦い方も全く違います。こういった戦い方の違う武器を同じように使うことは、普通に考えて不可能です。ボールペン一つとっても、自分に使いやすい物は人によって違います。それによって書き味や線の滑らかさ、手の疲れ具合まで全然変わってきます。

そう考えると、例え主人公の出身が単なる村の青年だったとしても、その青年は旅立つ前からあらゆる武器に長けた武芸の達人だったと言うほかありません。そうでなければ、鎖鎌を使って、自分を傷つけないなど不可能です。そういう意味ではディスガイアはまだましかもしれませんね。


最後に

別にゲームである以上、ある程度は適当で良いと思います。しかし、世界設定や歴史的背景に凝った、本格派RPGを名乗るゲームですら、こういった武器の扱いに無頓着なのはどうなんでしょう?そこに住む人の生活感さえも演出しておきながら、主人公が最も関わってくる「戦う」という事への無関心。矛盾だらけのシステムをぶら下げて、現実的(リアル)な世界を売りにする行為。どうにも納得できないんですよね。

まあそれはそれとして、コンピュータゲームからファンタジー世界に入った人は、多くの部分において誤解をしている事が多いです。例え空想世界とはいえ、そこには我々と同じ人間が生活し、笑い、苦しみながら生きているのです。それぞれの確かな理由を持って。このシリーズを通して、そういう世界に興味を持ってもらえたらよいな〜と思います。


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